032447 ランダム
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龍刀【朧火】製作所

一章【名も無き狩人】

けたたましい鳴き声が深緑に覆われた密林に鳴り響いた。
草をかき分け静かに双眼鏡を覗き見ると、
百メートル先に大怪鳥イャンクックが暢気に水を飲んでいた。

(今だな・・・)

体勢の低いままゆっくり後ろから近づき、そして走り出す。
残り10メートル近くで背中の双剣サイクロンを両手に構え、
頭の上で擦り合わせる。
その瞬間、刃が紅く光り鋭さが増した。
鬼人化と呼ばれる無理やりスタミナを使い、肉体強化する双剣の技の一種だ。

飛び込み様に左脚に斬りかかり、
三連続で脚のふくろはぎの部分を斬りつける。
なにが起こったか分からないイャンクックはそのまま左に倒れ込んだ。
自分が人間に襲われているのだと、
やっと認識したイャンクックはさっと立ち上がり、
後ろに向き直す。


だが、そこには誰もいなかった。
タイミングよく後ろに回ったのだ。
気付くや否や、クックは再び倒される。
今度は正面に来た。
重苦しそうな鎧に身を包んだ
【ハンター】が目に映った。
足が痛くて動けない怪鳥の、自慢の巨大なクチバシに
ハンターは容赦なく連続斬りを叩き込む。

鋭い二本の刃は堅いクチバシに弾かれることなく、
きれいにきまる。
だがその時だった。立ち上がった怪鳥は、
怒りに満ちた叫び声をあたりに響かせた。


怒って尻尾を振り回すイャンクックの足元に飛び込み、
胸の甲殻のあいまに刃を深々と突き刺した。
苦しみ後ずさりするイャンクックの口に赤い袋をそっと入れ、
近くの石ころを口におもいっきり投げ込んだ。
次の瞬間鈍い音と共にイャンクックの口内が爆発した。
通常怒り時は音の効かないイャンクックも、
内部衝撃と直に音を叩き込まれ、まるで空を仰ぐ様に放心した。

そのまま休むことなく、
先ほどの胸の傷口を開けるかのように斬りつけた。
まるで降り注ぐ雨のように胸部の傷にさらに傷を増やしていく。
もう内蔵がみえかねないほど斬り刻まれた頃、
痛みで我に戻ったイャンクックは振り返って、
足を引き摺りながら逃げようとしたが、
もちろん逃がしてくれるわけもない。


飛び上がった瞬間、
腰にさげていた袋から小さなタルを置き、
チョロリとでている線を、
勢いよく引くとタルは空めがけて飛び上がった。
怪鳥にあたり爆発すると、怪鳥が力尽き、落ちて来る。
フッ・・・とあたりが静まり返る。

ハンターは怪鳥に近寄り腰の袋から大振りのナイフを取りだした。、
慎重に背中あたりの甲殻や鱗、
そして傷だらけのクチバシを剥ぎ取って腰の袋にいれる。
また袋から何か取りだし火をつけると煙が上がる。

それを合図に、迎えらしき馬車が来たのだ。

【あとがき】
さて主人公の名前もでぬ間に一章終了です。
これからどんな展開になるか二人で書き上げもとい、
メールしていきたいと思います。
次の二章はモンバサから始まります。
どうなるか楽しみですね。
以上一章書き始め&タイトル&あとがきを書いたリピナ事kara


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